[脚本] 古沢 良太 [監督] 猪崎 宣昭・橋本 一
[放送日] 2008年7月2日~9月3日
[出演者] ★レギュラー・・・内野聖陽(黒木俊英)、筒井道隆(佐久間静一)、本仮屋ユイカ(遠藤鶴)、大塚寧々(松尾理沙)、高橋一生(日比野勇司)、吉本菜穂子(田端ルミ子)・・ほか
★ゲスト・・・内田朝陽(乙部功)、金田明夫(ロダン)、左とん平(津田)、白井晃(岡林)・・ほか
[あらすじ]
警視庁井の頭署。備品係の黒木 (内野聖陽)は、能力や経験はあるのに仕事をしない警官=ゴンゾウだ。
かつては捜査一課のエースとして活躍していたが、ある事件をきっかけに今は所轄の備品係に。
ある日、バイオリニスト天野もなみ (前田亜季)と井の頭署の新人刑事 鶴 (本仮屋ユイカ)が何者かに銃撃され、井の頭署に特別捜査本部が設置された。本部を指揮する警視庁捜査一課13係長の佐久間 (筒井道隆)によって黒木は再び捜査に加わることとなるが、過去に負った彼の心の傷はまだ癒えてはおらず、事あるごとにそのトラウマに苦しめられる。そんな折、鶴の元に重大な情報をもたらす3人組が現れる。「日本青空クラブ」という思想団体に所属しているという彼らが警察に提供した情報は、この事件を大きく動かすこととなる・・・。
[感想]
朝陽さんの最新出演作である、「ゴンゾウ」が先日終了しましたね。本当に久々の連ドラで、毎週朝陽さんに会えるという喜びを味わいつつ、ドラマ自体もすごく楽しめました。皆さんも欠かさずご覧になられましたか?!
まず始めに「ゴンゾウ」というタイトルを聞いても全くどういうドラマなのか、想像がつきませんでした。これは警察の隠語で”能力や経験があるのに、仕事をしない警官”という意味だそうですね。う~ん、警察に限らず、どこにでも一人はこういう人いてそうな気もしますが・・(笑)。でもこの”ゴンゾウ”に内野聖陽さんっていうのがまたイメージ出来ませんでした。あまり拝見したことはないのですが、彼はけっこうキリッとした感じが印象的だったので・・・。だけど今回じっくり観させていただいて・・・・内野さんは”すごい
”いや~っ、とにかくプロの演技を堪能させて頂いた
というより言葉が見つかりません。
それで朝陽さんですが、私はてっきり「刑事」だと思い込んでいました
でも「第5話以降」に出演と知って「あれ?」って感じで。まあ最近は朝陽さんも大して重要ではないような役で起用されることはない!というポジションまで来られたと確信しているので(めっちゃえらそうでスミマセン
)刑事でなければ犯人役かなって思いました。(他にもいろんな方が、5話でちょこっと登場した朝陽さんを観て、”内田朝陽をこんなちょい役で使う訳がない・・・”とブログなどに書いておられました。)ただ刑事ドラマが一話完結ではなく、1クールを通して一つの事件という構成がビックリでした。普通2時間サスペンスでもだんだん事件の全容が読めてきて、「もういい加減に犯人教えてよ~!」となるのに(笑)、10話(=2ヶ月)もの長い時間をかけてストーリーを展開するなんて・・・あの古沢さんの脚本だからこそ!かもしれませんね。一人ひとりの人物描写がとても細かく深く描かれていて、ただの刑事ものではなく人間ドラマを観ているような感じでした。
さてその朝陽さんですが、乙部功という青年の役でした。普段はデイトレ(いわゆる投資ですね)で稼ぎ、ボランンティア活動に参加したりしています。前の記事でちょこっと触れましたが、今回の朝陽さんのファッションは私としてはちょっと残念な感じでした。まあ、乙部くんのイメージからは合ってたのかもしれませんが、朝陽さんのイメージからは何だか外れてしまったような気がしました。皆さんはどうでしたか?髪型は6月に休業から復帰された時から変わらず、全体にパーマがかかっていましたね。でも「阿久悠物語」の都倉さんの時のようにきっちりとセットされた感じではなく、ふわふわした感じでかなりボリュームがありましたね。これも私としては、朝陽さんはストレートの方がお似合いだと思っているのですが、乙部くんはかなり自由人という感じの人なので、こういう雰囲気がぴったりだったのかもしれないな~と思います。
それでドラマの内容なのですが、いつもながら朝陽さんの関連するシーンについてお話したいと思います。
朝陽さんは6話で今回の事件について、自分の知っていることを黒木さんに打ち明けます。この時は”フムフム”と聞いていましたが、最終回まで観るとこの時の話は全くのデタラメで、乙部くんの作り話だったんですよね。このシーンに限らず、朝陽さんのシーンを後から見直すとけっこう「コワ~っ!」って思います。何人もの人を殺害しておきながら、そのつど別人を犯人に仕立て上げて、さらにその人物も消すという恐ろしい犯罪者でありながら、ある時は仲間とボランティアとしてお年寄りの車椅子を押し、自分が撃って負傷させた女性警官に、全くの善人を装って近づく・・・・なんか人間不信になりそうです
いや、でも乙部くんは怪しいな~っと思いつつも、実際は筒井道隆さん扮する佐久間が・・・?!という気もして、最後まで確信は持てませんでしたね。ただ、7月の後半(3話あたりかな?!)に、「ゴンゾウ」の撮影関係者の方が、ブログで最終回の撮影について、「最終回は埼玉県の○○でロケをして、キャストの内野さん、筒井さん、”内田さん”がアクションシーンを繰り広げました」というような内容を書かれてて・・・
この撮影がちょうど8月の1~3日あたりだったようですが、これを見て「あ~、朝陽さんが犯人だ~!」と分かってしまいました
でも残念というよりは、最終回までしっかり朝陽さんが絡んでくれるということが分かって嬉しかったです。(オイオイ
)しかも、このことをこのブログでちょこっと書いちゃったんで、同じことを気付かれた方もいらっしゃったかも・・・・とちょっと気がかりでしたが・・・。あっ、ちなみにそのブログではその後、記事の中から”内田さん”という文字は消えておりました(笑)。
それで、最終的に乙部くんは犯人だったわけですが、なんと3年前の杏子の事件でも彼が犯人だったことが判明しました。さすがにこれは予想がつきませんでしたね。杏子が亡くなる直前、黒木さんに「この世界に愛はあるの?」と言いますが、これは犯人、乙部くんの口癖だったんですよね。でもそんなことを知る由もなく、「こんなこと言って死ぬ人もいるんだな~。これは残された人を苦しめる一言だなぁ」と漠然と思っていました。これがラストの山場に向かうための伏線だなんて・・・・凄すぎます
この作品は、どれが真実で、どれが視聴者のミスリードを狙ったものなのかが分からず、ドラマの中ではレギュラー陣のキャストの皆さんが乙部くんに振り回されていたように、視聴者はある意味、古沢さんの脚本に振り回されていた感じで何だかわくわくしました。
そういえば乙部くんが成田に向かわず、電車に乗っているシーンがありましたよね。幼い頃、母親に「お母さん、一緒に逃げようよ。」という乙部少年。それに対して「どこへ行ったって同じだよ、どうせこの世界に愛なんてないんだから。」と言い放つ母親。そのことを思い出している乙部くんのやるせない表情はとても印象に残りました。
そして、乙部くんがついに犯人の顔を見せたシーンが、松尾クリニックで大塚寧々さん扮する理沙先生に拳銃をつきつけるところですね。(写真上)この直前、彼は自分が飼っていたコザクラインコのモーゼ(ずっとQ太郎と呼ばれていたが)を、理沙先生を信じて託したのに、その後黒木さんに渡され暗い地下室のような場所で飼われているのを知ったことについて先生に文句を言ってましたね。これもさりげないけれど、信じた人に裏切られることに対して、いかに乙部くんが敏感になっているかを表しているシーンだったと思います。ここにきて、ストーリー自体にはそれほど関係しないと思っていた理沙先生が乙部くんに「僕と同罪!」と言われることになり、ある意味これも驚かされました。
この後、乙部醤油の跡地でついに黒木さんと乙部くんが対峙することになるんですよね。佐久間の動きを狙っているときの朝陽さんの眼はかなり怖かったですね。そして黒木さんを撃ったときの表情も、何だか無表情で本当に冷たい感じでした。(写真中)
そして黒木さんの前に、理沙先生を人質にして現れた朝陽さん!今までもいろんなドラマで、怖い顔をしてキツイことを言うシーンってあったと思いますが、黒木さんに「銃をこっちに捨てろよ!こら~っ!」と怒鳴った声は、初めて聞いた時マジで凍りつきました
朝陽さんは普段とても優しい声をされてますけど、声量があって通りやすい声だから大声で怒鳴るとものすごい迫力が出るんですよね。でもその直後、彼はまるで別人のように幼い口調で「ここ、僕んちなんだからさー、勝手に入んないでよ!」と語りだします。このギャップにまた驚かされました。いかに乙部くんが不安定な精神状態にあるかが思い知らされるようでしたね。
でもここで明かされたこれまでの生い立ちを知ると、乙部くんもまた人生のいたずらに翻弄された被害者なのかもしれないな~と思いました。もちろん彼のしたことは全くの身勝手な犯罪で、絶対に許されることではないけれど、本当の愛を知らずに育った彼にとっては、自分を犠牲にしてでも”与える”ことが真実の愛だと思い込んだのは仕方がないことかもしれません。そう考えると、理沙先生のカウンセリングはあまりにも軽々しいもので、乙部くんがいうように「同罪=死刑」には当たらないまでも、幾分かの責任はあるのでは・・・?と思います
「愛って何?」「愛はどこにあるの?」と悩み苦しみ続けてきた乙部くんに、黒木さんが初めて本当の愛情を教えます。黒木さんは「愛に裏切りはない!」と言いますよね。これは、理沙先生の教えた「愛は与えれば必ず返ってくる。」というものとは大きく違うと思います。それは、本当の愛とは”無償の愛”だから・・・・。返してもらいたくて与える愛は、返ってこない時それが裏切りという形になります。でも自分が心からその人のことを大切に想い、自分が与えたくて与える愛は、相手から返ってくるかどうかは全く関係のないことなんです。だから裏切られることなんてないんですよね。でも本来なら彼にそのことを、身を持って正しく教えてくれるはずの両親があんな悲惨な最期となって、あまりにも深く傷つき、その日から乙部くんの中で成長が止まってしまったんだろうな~と思います。
その証拠に、彼は黒木さんの話を聞いて逆切れするのでもなく、素直に納得して、あの緊迫した空気の中でありながら、初めて本当の愛について真剣に教えてもらえたことに満足して、にっこり子供のように微笑んで「何か・・・ごめんなさい!」と言って理沙を解放します。大人になりきれなかった乙部くんの複雑な人格がよく表されているなと感じました。
でもホッとする間もなく乙部くんは自殺を図ろうとしますが、黒木さんに察知されてわき腹を撃たれてしまいます。私は犯人と確信してからずっと、乙部くんはどういう形で捕まるんだろう・・?と考えたりしていましたが、これはまさかの展開でした。痛みでうめいている朝陽さんの声が、ドラマだと分かっているのに辛くてたまらなかった自分がちょっと危なく感じちゃいましたが(笑)。そしたらその直後、朝陽さんが「痛いね~。さぁ・・・殺して!」って、おい
もうこの辺は観てる私がパニックでした
でもそしたら黒木さんは、乙部くんではなく自分のコメカミに銃口を向けます。私たちは黒木さんのことを知っているけど、乙部くんは何も知らないわけだから、コレを見て「何でこの人は自殺しようとしてるの?」って彼の中でもパニクッてしまったのでは・・・
とにかく最後までどうなるのか分からない展開で、普通の刑事ドラマのドンパチシーンとはかなり違っていて良かったですね。朝陽さんは最後、倒れた状態のまま片手だけ手錠を掛けられて、もう片方は建物に繋がれていました。(写真下)意識があるのかないのか分からない感じでしたが、ずっと苦しんできた本当の”愛”を知ることが出来たからなのか、どこか安心したような、満足したような表情でしたね!この表情もさすがに素晴らしかったですね
内野さん扮する黒木さんが言ってたように、この世界はつらいこともいっぱいあるけど、本当はささやかな愛であふれているのかもしれないって思います。いちいち”これが愛だ!”なんて思っていないだけで、たくさんの愛情に支えられて私たちは生きているのかもしれませんね。このドラマは、「この世界に愛はあるの?」なんてセリフがいっぱい出てきた割には、甘ったるい安っぽいドラマにはなっていなかったところが凄かったなーと思います。キャストの皆さんも、ベテランの方から若い役者さんまで、本当に演技力の高い素晴らしい方たちばかりで、だからこそ微妙な表情に「えっ、この人ってもしかして・・・」なんて惑わされたりして楽しかったんでしょうね。スタッフも「相棒」の関係者が集まって作ったというだけあって、とてもおもしろい作品でした。
あっ、そういえばこのドラマの出演者の方々って、NHKの朝ドラの出演経験のある役者さんが次々登場されるのも話題になってましたね。「ふたりっ子」の内野さん、「私の青空」の筒井さん、「ほんまもん」の池脇千鶴さん、「すずらん」の遠野凪子さん、「ちりとてちん」の加藤虎之助さん、そしてもちろん「どんど晴れ」の朝陽さん!ほんと、こんなに大集合するなんてびっくりですね。
それから・・・今回は何度も話題になってますが、朝陽さんの体格がかなり良くなってる!ということについて・・・・
うーん・・・確かに最終回を観ていてもそれはとても感じました!(朝陽さん、ごめんなさい!)私は毎日必ず何か朝陽さんの作品を一つは観てから寝床につくという生活をしているのですが、(たま~に洋画を観ていることもありますが・・
)つい先日久しぶりに「土曜ワイド劇場」の五十嵐杜夫シリーズを観て、桐野警備士を演じた朝陽さんに再会したので(このドラマについてもまた後日語りますね。)、その後で「ゴンゾウ」を観ると明らかにお顔の輪郭や体型が違うと感じました。でも私も体重の増減がけっこう激しい方で、太ると顔のラインにすごく出ちゃうので朝陽さんのことは言えません
でも今回の乙部役を考えたとき、痩せている朝陽さんより今回の朝陽さんの方が何か合っているような気はします。なんとなくだけど・・。あっ、でも回想シーンで、遠野凪子さん扮する飯塚早苗に、路上で売ってるペンダントを掛けてあげるときの黒っぽいスーツ姿の朝陽さんは、一瞬だし横顔だったけどすごくカッコよかったですよね。まあそれ以外の朝陽さんも、私は全て大好きです
そして何より、朝陽さんの評価がまたまたアップしたことが嬉しいです。今回のドラマではいろんな方がブログなどに感想を書いておられますが、朝陽さんの演技を褒めて下さっているかたがすごく多いですよね。「内田朝陽はいつの間にこんなに演技が上手くなってたんだ?」とか、中には「成長していたのは身体だけじゃなかったんですね!素晴らしい!」なんて、素直に喜んでいいのかよく分からない褒め方も・・・(笑)。まあ殺人犯の役なんて、似合うと言われても複雑だけど
確かに朝陽さんは「スピードマスター」で演じた黒咲勇哉や今回の乙部功のようなちょっと危なくて、何を考えていて何を仕出かすか分からないサイコ的(精神異常者)な役が意外にお上手だなと感じます。現代物でも時代劇でも同じでしょうが、悪役がいいお芝居をしてこその主役!というのは事実あると思いますので、そういう意味では今回の「ゴンゾウ」を支えたもう一人の主人公と言えるのかもしれませんね
それから・・「ゴンゾウ」のプロデューサーである須藤泰司氏と横塚孝弘氏も、このドラマの裏話を語っておられる中で、朝陽さんについて”すばらしい!”と褒めて下さっています
チーフプロデューサーの松本基弘氏は須藤氏と同様、以前「相棒」の北海道編で朝陽さんが犯人役をされた時のスタッフで、あの頃より更におもしろくなっているはずだから・・ということで乙部役を朝陽さんに依頼されたとか!そして今回その期待にしっかり答えて、松本氏に「この役、彼で良かったね。」と言わしめたんですって。須藤氏も「あそこまで複雑な人間を演じ切るとは思わなかった!」とおっしゃってます。朝陽さんは今回、相当この”乙部”という人間に入り込んでおられたそうで、役作りに集中し過ぎた反動で撮影終了後、体調を崩されたそうです
確かに、ラストシーンで手錠を掛けられて横たわっている朝陽さんの表情なんかは、演じているというより何だか”乙部”という人間が朝陽さんに乗り移っているんじゃないかと感じましたし・・・。こうして朝陽さんがひとつの作品を終えられる毎に、確実に実力派俳優としてのステップを昇っておられるようで、ずっと応援し続けている者として本当に嬉しいです
さて、次の朝陽さんの予定として既に公表されているのは、中村雅俊さん主演の映画「60歳のラブレター」へのご出演ということですね。これは住友信託銀行が平成12年から募集している熟年夫婦らのラブレターの中から、心温まるエピソードを映像化したものだそうで、来年公開予定です。撮影は8月中に既に終了して年内に完成するそうなので、朝陽さんはもう何か次のお仕事の準備に入られているかもしれませんね
あっ、そう言えば、朝陽さんが講談社から本を出版されるそうですよ。いつになるのかは分かりませんが・・。いったいどんな本でしょうね。楽しみです
今回も長文にお付き合い頂いてありがとうございました。ではぜひ皆さんの感想などもお聞かせくださいね!
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